100歳以上の長寿者は菜食主義ではなかった!?
肉を食べた次の日は、免疫力が高まり体が軽くなります♫
健康長寿の秘訣は肉食に有り
「健康に肉は悪」というのが常識のような昨今ですが、実は肉食こそ長寿の秘密があったのです。
桜美林大学大学院老齢学教授・柴田博先生にインタビュー。
ちなみに、日本の星であるイチロー選手はインタビューで食生活について、「基本は肉食です。肉を欲しない体って不健康なんじゃないですかね。草ばっかり食ってるヤツは力がないですよ。きっと、お年寄りでも元気な人って、肉を食べているんじゃないですか」と語っています。
生まれも育ちも北海道である柴田先生が、“肉”が健康にいいことに気が付いたのは、先生が東京老人医療センターに勤務していた昭和47年に行った「100歳の調査」がきっかけでした。
その調査では、全国の100歳以上の長寿者405人を対象に、食事内容を聞き込み、分析しました。
結果は、長寿者は皆「肉を食べていた」。菜食主義者は一人もいなかったのです。
当時、まだ医者になって10年足らずの柴田先生は、きっと100歳の長寿者の3割くらいは胡麻と豆腐と野菜を食べて長寿になったのだろう、と予想していました。
「その時は目からウロコが落ちるようだったよ。僕の教え子に、72歳の大学教授がいるのだけれど、彼は貧血で血液を専門にしている医者に見てもらっていて、ジョギングをして菜食主義、肉は摂らないというステレオタイプの生活をしていたわけだが、僕が肉を食べるようススメたら血圧がみるみる上がってきて半年で治ってしまったよ。」
貧血、骨粗鬆症、うつ病はもとより、動脈硬化、心臓病、脳卒中、糖尿病、高血圧症などの成人病にならないためには、肉を摂らない方がいいというステレオタイプに私たちはハマっているけれど、実はこれらの病気もすべて肉を摂取することで予防できると柴田先生は言います。
【平民は肉を食べよう】
「日本で昭和30年代は脳卒中が急激に増えた年代だった。日本人は先進国では寿命がもっとも短かった。40年代に入って、食生活が変わり、肉を食べるようになってから、50年代には日本は世界一の長寿国になった。
動物性タンパク質や脂肪を摂ることで、血管が丈夫になって脳卒中が減ったんだよ。
成人病にならないために肉を控えようという風潮があるが、アメリカ、ヨーロッパ人の脂肪摂取量は、一日140グラム。
一方日本人は一日60グラムの脂肪しか摂取していない。昔の日本人の食事は低栄養で、戦後やっと栄養がよくなったというのが現実でしょう。」
沖縄の長寿村大宜味村の調査では、65〜79歳の男性は62.1グラム、女性は43.1グラムの肉を毎日食べていました。
日本の食生活は欧米化したとよく言われるけれど、事実ではない。
日本人の祖先、縄文人は南方からマンモスを追って日本列島にやってきたけれど、昔は肉食だった日本人がいつから肉を悪とし、粗食信奉に走ったのでしょう。
「日本人は仏教伝来から肉を食べなくなった。仏教では殺生や肉食を禁じているでしょう。この思想が肉は血を汚すという思想を日本人に植え付けたのです。
その後、江戸時代初期の儒学者、貝原益軒の健康観を記した『養成訓』は当時の健康読本だったわけだが、これが上級武士や裕福な商人の生活を観察して書かれたものだったので、過食の戒めはあっても栄養不足の害は書いていない。それを貧しい農民にもあてはめたわけです。
【人類を救った“肉”】
脂肪をなるべく摂らないことが、健康への第一歩のように信じられている昨今ですが、中年以降は、しっかり肉を食べれなければ、動脈硬化やガンになりやすいという……。
「脂肪には、飽和脂肪酸、一価の不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3種類がある。この3つ1対1対1の割合で摂れば、老化を防ぎ、動脈硬化やガンを予防できる。
ここで日本人が肉を食べるのをやめると、この中の一価の不飽和脂肪酸という脂肪が不足する。
この脂肪は魚では補えない。戦後肉の摂取が増えて脳卒中が減少し、平均寿命が延びたというのに、粗食をすすめるのは間違ってるよ。」
また、肉を食べなくなると、セロトニンという神経伝達物質が不足し、うつ状態を引き起こします。うつ病は痴呆や自殺に繋がる危険な病気なのです。
セロトニンは魚や卵では十分な量は摂取できないそう。
さらに肉に含まれるアナンドマイドという物質は、人間の幸福感を高め、脳の満腹中枢を刺激します。
肉を摂ると肥満になるというのも俗説で、実は肉はダイエット食なのです。肉には人間が体内で合成できない必須アミノ酸を含んでおり、他の食品での代用は難しいのです。
肉といっても、豚、牛、鶏などいろいろありますが、ではどのような肉を食べればいいのかというと。
「バランス良くいろいろな肉を食べること。ただ霜降り肉はよくないね。脂の割合が高すぎるから。これを食べてはいけないとか、これを食べろとか、そういう考え方が間違っているんだよ。食べ物はすべて必要であって、どれがダメというのはない。」
柴田先生が言いたいのは、“肉”を絶つのは健康に良くないことであり、すべての食品をバランス良く食べることが健康の秘訣なのですね。